アメリカ横断 〜事件2〜
十二日目。
ラッパーに別れを告げ
降ろされて降りるとそこはステイツビル近辺のフリーウェイのど真ん中
ラッパー曰くここでのヒッチハイクは成功率が高いとのこと
やる事もないし早速ヒッチハイク開始
100キロオーバーで車がビュンビュン通り過ぎていく
1時間経った頃だった
ヒッチハイクのしてるポイントから
50メートル先で赤いフォードが止まっている
きたんだよねこれが
本日二度目のヒッチハイク成功
窓が開き運転手を見るとすごいハイテンションな青いニットを被ったおじさん
クレイジーそうだななんて思いながら
荷物を載せようとした時ふとインドの旅の時に嗅いだことのある匂いがしたんだ
マリファナよね
きまっちゃっているのかなとも思ったけど
躊躇せず荷物を荷台へ
窓を閉めた瞬間車は猛スピードで目の前を走って行った
僕を残してね
何が起きたかわからないんだほんと一瞬
今までそんな事起きた事無くてすっかり忘れていたんだ
みんな結局は赤の他人だって事を
五秒ぐらい静止してやっと気づく
やられたなって
プチパニックよね
とりあえず座って考える
結果、携帯だけが残ったんだ
残り全て(服、テント、寝袋、ガス、食料、パスポート)などなど
絶望的だったんだ
すぐに警察に連絡し程なくして警察が到着する
ナンバープレートなどはいつも記憶しているため
それと車種を伝え荷物が見つかることを祈る
そうすると警察官は僕に
「どこまで行きたいんだい?」って
目指しているところがピッツバーグだったためそれを伝えると
なんと警察官がピッツバーグまでのバスを手配してくれたんだ
もちろん無償でね
その日の夜のモーテルも手配してくれた
おまけに警察官のポケットマネーで10ドルくれ
これで夜飯でもってね
モーテルでゆっくりしているとなんだか荷物がなくなったショックもなくなってくる
むしろそうゆう人だって見分けれなかったのは自分なのだからね
匂いがした時点で辞めるべきだった
ここまでそれなりに楽しんで旅をしてきて
少し順調に行き過ぎている感があったから
もう少しスリリングなことないかななんて考えていた矢先だった
きっと神様が少し試練を与えたのかもしれないけど
僕的には
違う違う、こうゆうのは望んでないんだ。もっとライトな試練ちょうだい
なんて思ってしまった
とってもわがままだよね
その日はゆっくりシャワーに入りモーテルで今日起きたことを考えながら
寝るのでした